今回は、Excelを使った回帰分析について、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
- 回帰分析って何?
- どうやってExcelでやるの?
-
どんなことが分かるの?
こんな疑問に答えながら、実際のデータを使って一緒に分析してみましょう!
回帰分析とは?簡単に説明すると…
回帰分析とは、「ある変数が、別の変数にどのような影響を与えているかを調べる統計手法」です。
たとえばこんなシーンで使えます:
シーン | 説明 |
---|---|
売上と広告費 | 広告費を増やすと売上は増えるのか?どれくらい影響があるのか? |
勉強時間とテストの点数 | 勉強時間を増やすと点数はどれくらい上がるのか? |
気温とアイスの売上 | 気温が上がるとアイスの売上はどうなるのか? |
回帰分析で何がわかるの?
主に以下の3つがわかります。
- 関係があるかどうか(有意性)
- どれくらい影響しているか(係数)
-
予測ができるか(近似式の活用)
たとえば、「広告費 × 1.5 + 50 = 売上」みたいな予測式が作れると、広告費を10万円にしたら売上がいくらになるかが予測できます。
Excelでできる!回帰分析のやり方
使う機能:データ分析ツール
まず、Excelの「データ分析」機能を使います。これを使えば簡単に回帰分析ができます。
データ分析ツールを有効にする手順(最初の一回だけ)
-
Excelを開く
-
メニュー「ファイル」→「オプション」を選択
-
「アドイン」→下部の「設定」→「分析ツール」にチェックを入れて「OK」ボタンをクリック
すると、リボンに「データ」タブの中に「データ分析」が表示されます。
具体例:広告費と売上の関係を分析してみよう
仮のデータ(広告費と売上)
広告費(万円) | 売上(万円) |
---|---|
10 | 120 |
15 | 150 |
20 | 180 |
25 | 210 |
30 | 240 |
分析手順
1.データを2列に入力(A列に広告費、B列に売上)
2.「データ」→「データ分析」→「回帰分析」を選択し、「OK」ボタンをクリック
3.「Y入力範囲」=売上(例:B1:B6)
「X入力範囲」=広告費(例:A1:A6)
※1行目がラベルなら「ラベル」にチェックを入れる
4.出力先を選択(別シートでもOK)
5.「OK」ボタンをクリック!
結果の見方(ポイントだけ紹介)
回帰式(予測式)
出力の中にある「係数」から、次のような予測式が作れます:
売上 = 係数 × 広告費 + 切片 例)売上 = 6 × 広告費 + 60
「売上 = 6 × 20 + 60 = 180万円」と予測できます。
R²(決定係数)
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1に近いほどよく当てはまる
-
たとえば
R² = 0.98
なら、「98%説明できている」という意味です
P値(有意性)
-
0.05以下
なら「統計的に意味がある(有意)」 -
P = 0.001
などは、かなり信頼できる結果という意味になります
回帰分析を活用できるシーンいろいろ
シーン | 回帰分析でわかること |
---|---|
学習アプリの効果検証 | 使った時間とスコア向上の関係性 |
SNS投稿とアクセス数 | 投稿数と訪問者数の関係 |
飲食店の売上 | 天候・曜日・時間帯との関係 |
よくある質問Q&A
Q1. データが少なくてもできますか?
→ 最低でも5~10件はほしいですが、少数でも傾向はつかめます。
Q2. X(説明変数)は複数でもいいの?
→ Excelでは「重回帰分析」も可能です。複数の要因を一度に分析できます。
Q3. グラフは出せるの?
→ 「散布図+近似直線」で視覚的に表示できます!
まとめ:Excelで回帰分析はこんなにカンタン!
- Excelの「データ分析」ツールを使えばすぐに回帰分析できる!
- 関係性や予測式が分かるので、ビジネスにも勉強にも活用できる
-
データを入れて数クリックで分析完了!
「なんとなくの感覚」から、「数字に基づいた判断」へ。
まずは簡単な例から試してみてくださいね!