パソコンを操作する上で欠かせない「マウス」。このマウスの動きをPythonで自動化できることをご存じでしょうか？この記事では、Pythonを使ってマウスポインタを自在に移動させる方法について、分かりやすく説明します。
Pythonでマウスを動かすには？
Pythonでは、マウス操作を自動化するための便利なライブラリがいくつかあります。その中でも使いやすいのが「pyautogui」です。
pyautoguiとは？
pyautoguiは、マウスの移動やクリック、キーボードの入力など、GUI操作を自動化できるライブラリです。Windows、Mac、Linuxに対応しています。
pyautoguiのインストール方法
以下のコマンドを実行し、ライブラリをインストールします。
pip install pyautogui
マウスポインタを移動する
では、実際にマウスを動かしてみましょう。
画面のサイズを確認
まずは、画面の解像度（幅と高さ）を確認します。
import pyautogui
screenWidth, screenHeight = pyautogui.size()
print(f"画面の幅: {screenWidth}, 高さ: {screenHeight}")
この情報を元に、マウスの移動先を決めることができます。
■実行結果の例
指定位置に移動する
マウスポインタを画面内の任意の位置に移動させるには、以下のようにします：
pyautogui.moveTo(100, 200)
これは、画面左上から横に100ピクセル、縦に200ピクセルの位置に移動するという意味です。
ゆっくり移動させる
一瞬で移動するのではなく、滑らかに動かしたい場合は、duration引数を使います。指定した秒数分時間をかけます。以下の例では、2秒かけて画面左上から横に300ピクセル、縦に400ピクセル移動します。
pyautogui.moveTo(300, 400, duration=2)実用的な活用例
ここでは、実際に使える簡単なスクリプト例をご紹介します。
自動で指定位置に移動してクリックする
import pyautogui
import time
# 3秒待ってから実行（その間にウィンドウを準備できる）
time.sleep(3)
# (500, 300)に1秒かけて移動してクリック
pyautogui.moveTo(500, 300, duration=1)
pyautogui.click()このように、Pythonで簡単にGUI操作を自動化できます。
注意点と安全対策
pyautoguiには便利な機能がたくさんありますが、無限ループや操作ミスでPCが操作不能になることもあります。以下のような安全装置を必ず設定しましょう。
緊急停止のショートカット
マウスを画面左上に移動するとスクリプトが強制終了する「fail-safe機能」があります。
pyautogui.FAILSAFE = True
これはデフォルトで有効ですが、明示的に書いておくと安心です。
まとめ
Pythonを使ってマウスポインタを移動させるのは、pyautoguiライブラリを使えば驚くほど簡単です。定位置への移動、自動クリック、動きのスピード調整など、さまざまなカスタマイズが可能です。
- pyautoguiを使えばマウス操作を簡単に自動化できる
- 絶対位置・相対位置の移動やスムーズな動きも可能
- 安全対策としてfail-safe機能を活用すべし
ちょっとした操作の自動化や、繰り返し作業の効率化にぜひ活用してみてください。
