Python は初心者にとって学びやすいプログラミング言語ですが、最初に理解すべき重要な概念の一つが「変数」と「算術演算子」です。本記事では、Python の変数とは何か、どのように使うのか、そして算術演算子を活用して簡単な計算を行う方法を説明します。
変数とは?
プログラミングにおける「変数」とは、データを一時的に保存するための「箱」のようなものです。Python では、変数を使って数値や文字列などのデータを保存し、再利用することができます。
Python では、変数を利用する時に、他の言語のように型を指定して変数名を決める必要はありません。
変数の定義方法
Python で変数を定義するには、以下のように記述します。
x = 10
y = 20
z = x + y
print(z) # 30
このコードでは、x に 10 を、y に 20 を代入し、それらを足し合わせた結果を z に格納しています。print(z) を実行すると 30 が出力されます。
変数名のルール
変数名には以下のルールがあります。
・文字 (a-z, A-Z) や数字 (0-9)、アンダースコア (_) を使用できる ・1文字目は、半角英文字かアンダースコア( _ )のみ ・同じアルファベットでも、大文字と小文字は区別される ・Python のキーワード(予約語) は使用できない
Python のキーワードには以下の種類があります。
・ブール値(真偽値): True、False ・条件文とループ: if、elif、else、for、while、break、continue、in、not、and、or ・関数とクラス: def、return、class、lambda、global、nonlocal ・例外処理: try、except、finally、raise、assert ・インポートとモジュール: import、from、as、pass ・その他: with、yield、del、is、None
例:
my_var = 100 # OK
2nd_value = 50 # NG(数字で始まる変数名は不可)
if = 10 # NG(予約語は使用不可)
算術演算子
Python では基本的な算術演算を行うために、以下の算術演算子を使用できます。
演算子 | 説明 | 例 |
+ | 加算 | x + y |
– | 減算 | x – y |
* | 乗算 | x * y |
/ | 除算 ※演算結果が浮動小数点になります |
x / y |
// | 整数除算 ※小数点は切り捨てられます |
x // y |
% | 剰余 (余り) | x % y |
** | べき乗 | x ** y |
各算術演算子の例
x = 15
y = 4
print(x + y) # 19
print(x - y) # 11
print(x * y) # 60
print(x / y) # 3.75
print(x // y) # 3(整数除算)
print(x % y) # 3(余り)
print(x ** y) # 50625(べき乗)
整数と小数
Python では整数 (int) と小数 (float) の計算が可能です。
int_num = 10
float_num = 2.5
result = int_num * float_num
print(result) # 25.0
整数と小数を演算すると、結果は小数になります。
変数の活用例
ユーザーからの入力を受け取る
Python では input() 関数を使ってユーザーから値を受け取ることができます。
name = input("あなたの名前は?: ")
print("こんにちは, " + name + "!")
また、数値を入力として受け取る場合は int() または float() を使って変換する必要があります。
num1 = int(input("1つ目の数字を入力してください: "))
num2 = int(input("2つ目の数字を入力してください: "))
print("合計: ", num1 + num2)
シンプルな計算機を作る
x = float(input("1つ目の数値を入力: "))
y = float(input("2つ目の数値を入力: "))
print("加算:", x + y)
print("減算:", x - y)
print("乗算:", x * y)
print("除算:", x / y)
print("整数除算:", x // y)
print("剰余:", x % y)
print("べき乗:", x ** y)
変数の型(データ型)
Python の変数には型(データ型)があり、主なものは以下の通りです。
データ型 | 説明 | 例 |
int | 整数型 | 10 |
float | 浮動小数点型(小数) | 3.14 |
str | 文字列 ※シングルクォーテーションまたはダブルクォーテーションで囲みます |
‘Hello’ |
bool | 真偽値(True or False) | True |
変数の型は type() 関数で確認できます。
x = 10
y = 3.14
z = "Python"
print(type(x)) # <class 'int'>
print(type(y)) # <class 'float'>
print(type(z)) # <class 'str'>
まとめ
本記事では、Python の「変数」と「算術演算子」について説明しました。
Python の基礎をしっかり理解することで、より高度なプログラムを作成できるようになります。ぜひ、自分でコードを書いて試してみてください!