Google AdSenseを利用しているユーザーに
「お支払いに対して正しい税額が源泉徴収されるようにするため、できるだけ早急にシンガポールの税務情報をご提出ください」
というメッセージが表示されることがあります。
この記事では、このメッセ―の理由と対応方法を説明します。
背景と理由
Google AdSenseを利用しているユーザーに「シンガポールの税務情報を提出してください」というメッセージが表示されることがあります。この通知は、Google Asia Pacific Pte. Ltd.(シンガポールに拠点を置く事業体)を通じて支払いが行われるために発生します。適切な税務情報を提出しない場合、以下のような問題が生じる可能性があります:
・二重課税:日本で納税しているにもかかわらず、シンガポールでも源泉徴収される。
・支払い保留:税務情報が承認されない場合、報酬の支払いが遅れる可能性。
これを防ぐためには、日本国の納税者であることを証明する「居住者証明書」を提出する必要があります。
必要な書類
提出に必要な主な書類は以下の通りです。
・居住者証明書:日本で納税していることを証明する公式書類。
これは、国税庁から無料で交付請求が可能です。
手順
具体的な手続き方法を説明します。
居住者証明書の取得
1.国税庁のウェブサイトから「居住者証明書」の交付請求フォームをダウンロードします。印刷して手書きする様式と、パソコン上で入力し印刷する様式があります。どちらを使用してもOKです。
No.9210 居住者証明書の請求|国税庁
2.必要事項を記入(手書きまたはPDF編集)
①「住所・氏名又は法人名及び代表者氏名」欄
居住者証明書を請求する個人又は法人の住所(納税地)及び氏名(法人名・代表者氏名)を記入します。日本語と英語、それぞれ記入してください。
番地 地域名 市区町村名 都道府県名 の順にスペースを1つ空けて記入します。
英語表記の例:
1-1 Kitayama Fujinomiya-shi Shizuoka-ken
②「提出先の国名等」欄
日本語欄は、シンガポール、英語欄は、Republic of Singapore と記入します。
③「申述事項」欄
内容を確認し、上から3つのチェックボックスを必ずチェックしてください。
④「証明書の請求枚数」欄
1と記載
⑤「居住者証明書」欄【租税条約等締結国用様式】
「Republic of Singapore」と記入します。
⑥「所轄の税務署」欄
提出する税務署名を記入します。
不明な方は、以下サイトから検索してください。
税務署の所在地などを知りたい方
⑦「請求日」欄
書類を税務署に提出する日を記入します。
全て記入し終わったら、コピーを2部用意します。
3.税務署に直接持参または郵送して申請します。
税務署へは、居住者証明書交付請求書を2部提出し申請します。
税務署へ直接持参の場合は、提出先の税務署に持って行きます。このとき、本人であることが確認できる書類(マイナンバーカード(個人番号カード)、運転免許証、パスポート、国または地方公共団体の機関が発行した顔写真付きの身分・資格証明書等)が必要です。税務署で即日交付される場合もありますが、混雑状況によって数日かかることもあるようです。
郵送の場合は、封筒の表面に「居住者証明請求在中」と記載し、マイナンバーカード(個人番号カード)のコピーと返信用封筒(切手を貼っておく)も同封します。
私の場合、郵送で提出し、発送してから土日含めて7日で居住者証明書が届きました。
Google AdSense管理画面への入力
居住者証明書が交付されたら、紙→電子ファイル(PDF、JPG、PNG)に変換します。推奨はPDFのようです。
1.Google AdSenseにログインし、「お支払い」→「お支払い情報」をクリックします。
2.「設定を管理する」をクリックします。
3.「シンガポールの税務情報」の鉛筆マークをクリックします。
4.「税務情報の管理」をクリックします。
5.「税務情報の追加」をクリックします。
6.始める前に、という画面が表示されるので、「フォームを開始する」をクリックします。
7.必要事項を入力します。
①「業種」:業種を選択します。個人でGoogle AdSenseを運営されている方は、「個人の運営者」を選択します。私の場合は「個人の運営者」です。
②「シンガポールに恒久的施設を所有していますか?」:所有していれば「はい」、所有していなければ「いいえ」を選択します。私の場合は「いいえ」です。
③「海外ベンダー登録制度に基づいて、シンガポールの物品サービス税(GST)に登録されていますか?」:登録されていれば「はい」、登録されていなければ「いいえ」を選択します。私の場合は「いいえ」です。
④「免税対象となっていますか?」:「はい」を選択します。「いいえ」を選択すると2重課税になるため、損をすることになります。
⑤「ドキュメントの種類を選択」:「税法上の居住地の証明書」を選択します。
⑥「アップロード」ボタンをクリックし、居住者証明書を選択し、「送信」をクリックします。
⑦「お客様の税務情報が承認されました」と表示されます。
⑧画面を上にスクロールすると、ステータスが「審査中」となっています。
私の場合、翌日に承認されました。
注意点
・住所確認:Google AdSenseに登録されている住所と居住者証明書の住所が一致しているか確認してください。住所が異なる場合、英語表記で修正する必要があります。
・期限内対応:通知後、早急に対応することで支払い遅延や余分な課税を回避できます。
まとめ
シンガポール税務情報の提出は、日本で納税していることを証明するための簡単な手続きです。居住者証明書を取得し、AdSense管理画面から情報を登録するだけで完了します。この手続きを早めに行うことで二重課税や支払い保留といったトラブルを防ぐことができます。