【VBScript】サポート終了について分かりやすく解説|影響・対応策・これからどうする?

VBScript

2023年10月、マイクロソフトが正式に「VBScript(Visual Basic Scripting Edition)をWindowsから段階的に削除する」と発表しました。
これにより、長年システム管理や業務自動化などで使われてきたVBScriptは、いよいよ完全サポート終了に向かうことになります。

この記事では、

  • そもそもVBScriptとは何か
  • なぜサポート終了するのか
  • 影響を受けるのはどんな場面か
  • これから何をすればいいか(代替案)

を、できるだけ分かりやすく解説していきます!

参考:
VBScript の廃止: タイムラインと次のステップ |Windows IT プロフェッショナル ブログ
Deprecated features in the Windows client | Microsoft Learn

VBScriptとは?|簡単におさらい

VBScript(Visual Basic Scripting Edition)は、1996年にマイクロソフトが開発したスクリプト言語です。もともとVisual Basicの軽量版として作られ、主に次のような場面で使われてきました。

  • Webサイト上での簡単な動作(1990年代後半)
  • Windowsパソコン内部での自動化(バッチ処理、ログインスクリプトなど)
  • システム管理業務(ファイル操作、レジストリ編集、自動実行)

とくに企業内では、Windows環境と相性が良いことから、バッチファイルよりも柔軟な処理ができるツールとして広く使われました。

たとえば、

  • ファイルを定期的にバックアップする
  • 何百台ものPC設定を一括変更する
  • サーバーメンテナンスを自動化する

こういった「ちょっとした自動化」にぴったりだったのです。

なぜVBScriptがサポート終了になるの?

Microsoftは将来的にVBScriptをWindowsから削除する理由について、詳しく言及していませんが、理由は大きく3つが考えられます。

①セキュリティリスクが高いから

VBScriptは、簡単に強力な操作ができる反面、ウイルスやマルウェアに悪用されやすい問題がありました。実際、過去にはVBScriptベースのワーム(ILOVEYOUウイルスなど)が大流行したこともあります。マイクロソフトとしては、セキュリティ向上のため、古い技術を段階的に無効化する方針を取っています。

②時代遅れになったから

今では、より安全で強力な技術(たとえばPowerShellやPython)が標準になっています。
わざわざVBScriptを使うメリットが、ほとんど無くなってしまったのです。

③ メンテナンスコストが高いから

古い技術をサポートし続けるには、マイクロソフト側も開発・テスト・保守コストをかける必要があります。限られたリソースを新しい技術に集中するため、サポート終了は避けられない流れでした。

サポート終了スケジュール

マイクロソフトの公式発表によると、以下のように廃止は 3 つのフェーズで行われます。

フェーズ 時期 内容
2024年後半 VBScript FOD(必要に応じてインストールされるオンデマンド機能)としてWindows 11 バージョン 24H2 以降に既定でプレインストールされます。
2027 年頃 VBScript FOD はデフォルトで有効ではなくなります。
TBD 将来的に完全削除予定(手動での有効化も不可)

つまり、いま動いているVBScriptも、将来的には動かなくなる、ということです。

どんな場面で影響が出る?

1. 業務用の自動化スクリプト

たとえば、
「毎日夜中にファイルをコピーするスクリプト」
「社内サーバーのログを自動保存するスクリプト」
など、VBScriptで組まれている場合、動かなくなるリスクがあります。

2. 古い社内システムやツール

社内向けのツールやアプリで、裏側でVBScriptを使っているものがあると、エラーが出る可能性があります。

3. ブラウザ内スクリプト

現在はほとんどありませんが、超古いWebシステムでは、ブラウザ内でVBScriptを使っている場合もあります。この場合、すでにモダンブラウザ(Edge、Chromeなど)では非対応なので、実質問題にはなりにくいですが、念のためチェックが必要です。

これからどうすればいい?|具体的な対応策

影響範囲を洗い出そう

まずは、
「どこでVBScriptが使われているか」
を把握しましょう。

  • バッチ処理
  • ログインスクリプト
  • 古い社内ツール
  • IT資産管理システムの内部スクリプト など

特に注意が必要なのは、定期的に自動実行されているスクリプトです。

移行計画を立てよう

影響がありそうなものが見つかったら、移行計画を立てましょう。

移行先の候補は、以下の表が考えられます。

代替手段 特徴
PowerShell Windows標準搭載。管理タスクに最適。安全性も高い。
Python 汎用性が高く、クロスプラットフォーム対応。ライブラリも豊富。
バッチファイル 簡単な処理ならこれでも代替可能。

おすすめはPowerShellです。
Windows管理と相性が良く、マイクロソフトも推奨しています。

テストと運用切り替えをしよう

移行したスクリプトは必ずテストしてから本番運用に切り替えましょう。
特に、

  • ファイルパス
  • エラーハンドリング
  • 権限設定(管理者権限が必要かどうか)

などは注意が必要です。

まとめ

VBScriptのサポート終了は確かに面倒です。
ですが、これは新しい技術に乗り換えるチャンスでもあります。

  • より安全な運用ができる
  • より拡張性の高い仕組みが作れる
  • これを機にシステムの見直しができる

…と、前向きにとらえて、早めに準備しておきましょう!

「まだ大丈夫」ではなく、「今すぐ動く」が成功のカギです。

 

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