XServerには【WordPress簡単移行】という、初心者でも使いやすい移行ツールが用意されています。これを使えば、面倒なデータベースのエクスポートやFTPの操作をしなくても、簡単に引っ越しができます。
今回は、ロリポップで運営しているWordPressサイトを、XServerに「WordPress簡単移行」機能を使って引っ越す方法を詳しく説明します。
参考:WordPress簡単移行 | レンタルサーバーならエックスサーバー
XServerの「WordPress簡単移行」とは?
XServerの「WordPress簡単移行」は、現在使っているサーバーからWordPressを丸ごとコピーしてくれる機能です。以下のような情報を自動で取得して、XServer側に構築してくれます。
- /wp-content フォルダに設置されているデータ
(アップロードした画像ファイルやプラグイン・テーマファイル等) - データベース内のデータ(記事データや各種設定)
難しい操作は一切不要で、画面の案内に従って進めるだけ。SSL化の設定も後から簡単にできます。
動作要件
- WordPressのバージョンが 4.2 ~ 6.8 であること
- PHPのバージョンが7.2以上であること
- 移行元のWordPressが以下に当てはまる場合、エラーとなります。
・マルチサイト機能を使用している場合
・データベースの容量が2GBを超えている場合
・WordPress.comからの移行である場合
・「PHPからtar、zipコマンドのいずれも利用不可」かつ「PHPのzipモジュールが利用不可」の場合
※2025.5現在の情報です。
事前に準備しておくこと
1.移行先のドメインが設定済みであることが前提なので、まだドメイン設定が終わっていない場合は、以下の記事を参考にしてください。
XServerに独自ドメインを追加する手順
2.以下の情報を用意しておきましょう。
項目 | 内容 |
WordPressログイン情報 | ログインURL、ユーザー名、パスワード |
ロリポップのサーバー情報 | FTP情報など(基本不要ですが、失敗時に備えて) |
3.ロリポップでWAF(Web Application Firewall)が有効になっていると移行に失敗する可能性があるので、あらかじめ「無効」にしておくのが無難です。
「WordPress簡単移行」の実行手順
1.XServerのサーバーパネルにログインします。
2.「WordPress」カテゴリから「WordPress簡単移行」をクリックします。
3.対象のドメインを選択します。
4.「WordPress移行情報入力」タブをクリックします。
5.必要な情報を入力し、「確認画面へ進む」をクリックします。
① | 移行元のURL(通常はhttpsを選択。SSL対応していない場合はhttpを選択) ※サブディレクトリを移行する場合は、サブディレクトリ名も入力します |
② | 移行元ドメイン 今回は「pg-note.com」です |
③ | 移行元(今回はロリポップ)のWordPressログインユーザー名、パスワード |
④ | 移行先(XServer)のドメイン ※サブディレクトリを移行する場合は、サブディレクトリ名も入力します |
6.入力内容を確認し、「移行を開始する」をクリックします。
7.移行が開始されます。通常、数分〜10分程度で完了するようです。私も5分程度で完了しました。
8.移行が完了すると、「データ移行完了」と表示されます。今回、同じドメインに移行したので、以下のように「SSL証明書の発行に失敗しています」と表示されますが、後ほどSSL設定を行うので問題はありません。違うドメインへの移行の場合は、このメッセージは表示されません。
これで、「WordPress簡単移行」を使ったWebサイトの引っ越しは完了しました。
ネームサーバの変更
引っ越し先のドメイン名が同じ場合のみ、ネームサーバーの変更をします。
サイトの引っ越しにより、ドメインに紐づくネームサーバ(DNS)を、エックスサーバーのネームサーバーに変更する必要があります。
ここでは、お名前ドットコムを例に説明します。
1.お名前ドットコムにログインします。
2.「ネームサーバー/DNS」→「ドメインDNS設定」をクリックします。
3.「1.ドメインの選択対象」で対象のドメインを選択し、「2.ネームサーバーの選択」で「その他のサービス」タブをクリックします。
4.エックスサーバーのネームサーバー名を入力し、「確認」をクリックします。
XServerのネームサーバは以下を指定します。
ns1.xserver.jp ns2.xserver.jp ns3.xserver.jp ns4.xserver.jp ns5.xserver.jp
5.確認画面が表示されるので、「OK」をクリックします。
6.「完了しました」とメッセージが表示されればOKです。
切り替わりを確認
引っ越し先のドメイン名が同じ場合のみ、Webサイトが移行先に切り替わったかを確認します。
IPアドレスを切り替える作業が、先ほど実施した「ネームサーバを変更する」ですが、この作業が完了してもすぐにIPアドレスが切り替わるわけではありません。
IPアドレスが切り替わる前にアクセスした場合、引っ越し前(今回の場合はLolipop)にアクセスすることになるので注意が必要です。
以下の手順でXServerのIPアドレスに切り替わったかを確認します。
引っ越し先のIPアドレスを確認
1.移行先のIPアドレスを確認します。
XServerのサーバーパネルの「アカウント」→「サーバー情報」をクリックします。
2.IPアドレスを確認します。
切り替わったかを確認
1.Windowsのコマンドプロンプトを起動します。
2.起動したコマンドプロンプトで、「ping + 半角スペース + ドメイン名」と入力しEnterキーを押下します。
以下のようにIPアドレス部分がXServerのIPアドレスと同じであれば、切り替わりが完了です。
IPアドレスが異なる場合、もう少し待ってみましょう。
お名前ドットコムの場合、反映までに数時間~72時間かかるそうです。
私の場合、翌日(20時間後)に確認したときには反映されていました。
参考:【ドメイン】DNS設定の変更手続きをしてから有効になるまでの期間は?|ヘルプ | ドメイン取るならお名前.com
これで、ネームサーバーの変更が終わりです。
SSLの設定
「WordPress簡単移行」で同じドメインに移行した場合、「SSL証明書の発行に失敗しています」と表示されました。ここでは、SSLの設定手順を説明します。
1.サーバーパネルの「ドメイン」→「SSL設定」をクリックします。
2.対象のドメインの「選択する」をクリックします。
3.「変更」をクリックします。
4.「ONにする」をクリックします。
5.「しばらくお待ちください」とメッセージが表示されるので待ちます。私の場合、それほど時間はかかりませんでした。
6.以下の画面が表示されると設定が完了となります。
SSL設定の反映確認
参考:無料独自SSL設定
SSL設定直後に「https://ドメイン名」にアクセスすると、以下の画面が表示されます。
これは、SSLの設定がまだ反映されていないためです。無料独自SSL設定が反映するまで、最大1位時間かかるそうです。
「https://ドメイン名」にアクセスし、サイトが表示されれば反映は完了です。
まとめ
今回は、ロリポップで運営しているWordPressサイトを、XServerに「WordPress簡単移行」機能を使って引っ越す方法を詳しく説明しました。